カテゴリホビー、カルチャーハンドクラフト、手工芸裁縫、刺繍はぎれ、布地その他状態目立った傷や汚れなし（詳細）　世の中にスンバ島の布は大量にあるものの、このような布は、これ以外に見たことがありません。特別に注文して作らせたものでしょう。
　これは昔、インドネシア スンバ島 レンデで入手した布で、大きさは約281×106㎝、天然染料で染められています。このように赤色のみで染められた布は、観光客に売るために作られた布ではなく、「ヒンギコンブ・ラ・ラ」と呼ばれ、司祭が祈祷する時に着用した特殊な布であったようです。この布も、祈祷師の家にありました。
　一般にイカットは、染料が染み込まないように、同じ色で染めたくない部分のみ括りながら製作していきますので、白い部分が多い布ほど、手間がかかり、高い技術を要します。そうした理由で、出品のような白地に赤色の紋様のみのイカットは、作っても労力の割に合わず、一般に作られることがないのでしょう。赤色に染める天然茜は、現地では高価な染料で、非常に手間のかかる技法で作られた唯一無二の布です。紋様も変わっていて、全て生き物のみで構成されており、生き生きと織り込まれた上手な絣紋様は、高い技術を持った織り手によるものです。これを着用することにより、生き物から生命力やなんらかの力を得る意味があるのでしょうか。祈祷師のための布ならでは紋様構成です。
　大切な布であったためか、あまり着用された形跡が無く、良い状態です。そう古い布ではない感じですが、入手してからは最低30年以上経っています。レアな布ですので、長年コレクションに入れていたようです。大切にしてくださる方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。（2022年 6月 21日9時 13分 追加）　9枚目参考画像は、書籍掲載のヒンギコンブ・ラ・ラ。括る箇所が多い白地に赤の紋様は、更に手間がかかります。
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